皆さま おこんにちわ。
久しぶりのブログ更新です。
Twitterをご覧になった方にはご存じかもしれませんが、
表題の通りなんと…
ロベリア ベクアエルティ(Lobelia bequaertii)が発芽しました。
そうです。まだ諦めもせずに蒔いておりました。
とりあえずご覧ください。
お分かりいただけますでしょうか?右上らへんに見えるのが、発芽した個体です。
たった1つ。たったのひとつです。
ああなんと儚く感じるものでしょうか。50以上蒔いてたったの一つです。
とても「成功」とは言えないかもしれませんが、私にとっては大きな一歩です。
これを発見した時にはなんていうか、
となりのトトロでメイちゃんが"まっくろくろすけ"を両手でパチンとやってサツキに見せに行くときのように、興奮気味に妻に見せに行きました。
そしていざ3年越しのチャレンジで発芽に漕ぎつけた命を目の当たりにして「枯らしたり腐らせたりしたらどうしよう」という不安に駆られたのも事実です。
とまあ、こんな様子で発芽を迎えたベクアエルティですが。
今回の播種のポイントを改めてみようと思います。
こういうところから先は本当にマニアックな人が見ればいいやと思いながらも、興味なくても読んでください。どうせ暇でしょここまで読みに来てるんだから。
今回の播種は2023年2月3日。約50粒蒔きました。たぶん50以上あったと思います。
種が細かいので数えておりません。
消毒の方法はこれまで通りですが、ベンレート液に今回からメネデールをキャップ1杯分混ぜています。漬け置き時間は4時間程度行いました。
そして発芽を確認したのは2023年3月24日。
ブログを書いている今も順調なのかはよくわかりませんが枯れも蒸れもせずに成長しております。
ところで、今回の播種はとある海外の方のTwitterも参考にして播種の時期を選んで実行してみました。こちらの画像☟です。
そして翻訳ではこうあります。
なるほど。と思ったそこのアナタ。今すぐにSEED STOCKでいろんな種買って育ててみてください。少なくとも私よりも実生センスありますよきっと。
高山性の植物であることはこれまでにも述べてきましたが、
いままでの播種が失敗に終わってきたことは、私自身の実生に関しての経験が未熟だったことが原因です。
だってこれまで播種するものといったら
・高い湿度 と ・10~20℃程度の温度の維持
が私にとっては基本知識でしたので、低温にさらす方法をどうしてやればいいのか悩んでいたわけです。
このツイートからも分かるように「数週間の低温期にさらす必要がある」ということがわかります。標高2500mあたりの高山地域ですからね。そりゃ冷えるわな。
植物には他にも「火に投げ込んで割って発芽する」「熱湯に入れて発芽する」なんてものもあると聞いたことがありますからね。ちょっと極端な言い方かもしれないけれど。
冬型の植物の発芽に冷蔵庫に入れて発芽を待つというのはあるようですが、
今回のベクアエルティの自生地の環境的に正直どのくらの低温要求があるのか、そしてその期間もわからないというのが問題でした。
一般家庭用の冷凍庫では-18℃程度とのことで、逆に冷えすぎてしまい種自体が凍ってダメになってしまいかねないですし、人工的な熱(たぶんマイナスにも)を加えてはならないので選択しませんでした。
ルウェンゾリ山地の温度はおよそ-1~4.5℃、通年して冷涼な環境であること。
自生地の土自体が細かな氷の粒の混じった泥であるということ。
の2点はわかっていたので、
今年こそ天然の低温期に合わせて蒔いてやろう。
と決めていたのでした。
待ちに待っていた昨年の冬。よく雪も降りまして。
ここ山陰の冬は正直12月と1月はめったにマイナスの気温にはならんもんですが、
2月になると毎年-7~-3℃なんていう日が出てきます。
そこで2月に入ったら蒔いてみることにしたのです。
雪もかぶったり、いやむしろ雪を詰めたりかぶせたりして毎日冷やすことを意識していました。
そして2月24日のちょうど3週間といったところで室内に取り込み、発芽を待っていました。加温はしておらず、室温に任せて10℃前後で推移していたと思います。
3月始めの頃は今か今かと毎日確認しておりましたが、2週間が過ぎたころから
もう正直諦めムードで、どうせ今回も失敗におわるんだと思っていました。
種の採取時期もわかんないんだもん古かったんだどうせ!なんて小言を呟いていましたからね。もう次晴れてる日があったら外で土を処分する気で、そのまま放置していました。
そしたらね。なんと発芽しておったわけです。
ほんとよかった… 諦めずにいてってわけじゃないね。諦めていたんだけどね。
捨てる気でいたくらいだからね。
とにかく、たった一つでしたが発芽に漕ぎ付きまして。
今日に至ります。
発芽しないならしないでどうでもよくなるくせに、いざ発芽したとなると、
小さな命を前になんとも言えない気持ちになるもんです。不安でしかたありません。
今や毎日生存確認のようなことをしております。今年の夏はこれまで以上に「蒸れ」に対して神経がすり減ってしまいそうです。
長くなりましたが、今回で発芽のポイントは実証できたように思います。
また種を買って、次回の冬時期を見計らって今度はもっと発芽率が上がるように再チャレンジしてみるつもりです。そして、またこの成長も記録に残してみようと思っておりますので、またブログを覗きに来てみてください。それでは。