ロベリアベクアエルティの実生経過記録2021年9月

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ロベリアベクアエルティの実生を開始しておよそ3ヶ月が経過しました。

(播種は2021年7月5日 : ブログ記載時は2021年9月29日)

 

結論から言いますと

未だに何ひとつとして変化がない。

 

ピートモスに播種した方はカビにとってものすごく好条件だったのでしょう。

カビの勢力は衰えることなく進行し、見るも無惨な姿になってしまいまして…

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こうなってはおしまい。残すは用土に播種した方である。

 

ただ毎日期待を込めて視線と愛情を注ぎ水を切らさないようにしている。

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変化があったのは私の部屋にいくつかアグラオネマが増えたり、新しくベゴニアに手を出した事ぐらい。

ベゴニアについては本当にまだまだ初心者すぎて語るべき事もありませんが、いずれ記事にして紹介したいと思っています。

お見せして恥ずかしくない姿になるまで育てられるなら、きっとその魅力にも語る何かを見出していることでしょう。

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とまあ、そんな感じでただただ発芽することを祈りながら腰水を切らさないようにして気長に待っているという報告でした。

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恵比寿笑の種が採れた。

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8月がおわり、9月に入りましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。

実生を楽しむ方々においては「秋蒔き」の準備などなさっているのでしょうか。

ゲームを楽しむ方々は、この秋にも注目のおける新作などありそうですね。

私はなんとなくバトルフィールドの新作を楽しみにしつつ、夜な夜な絵を描き、

虫たちの奏でる音に耳を傾けながらビカクシダを水に沈め夜の涼しさを感じています。

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ところでこの、虫たちの奏でる音を認識出来る人間というのは、実は少数派だそうです。日本人とポリネシアン人だけが「言語」的な認識をしていて、他の国の方々には単なる雑音として聞こえ、脳内で処理しているらしいですね。

古来より擬音語や擬声語の表現が豊かな日本人ならではなのかもしれません。

 

まぁそんなことはどうでもよくて、表題の件にまいりましょう。

 

【恵比寿笑の種が採れた】

恵比寿笑(えびすわらい)といえば、おまんじゅうのように丸くぼってりしていたり、岩のようなフォルムが特徴的な塊根植物です。

正しくはPachypodium brevicaule (パキポディウム・ブレビカウレ)といいます。

自生地はマダガスカル標高1400~2000mくらいの岩山に自生しており、やや高山性植物の性質があります。

私の育てている恵比寿笑は、大阪府の山城愛仙苑にて購入した株です。

植物に手を出し始めて、当時の私にとっては初めての高額な塊根植物だったのでよく覚えています。

毎年のように黄色く可愛い花を咲かせてくれるので、大切にしています。

あるとき、YouTubeにて「天気を気にする人のビデッオ」でおなじみ。りとまんさん のチャンネルを眺めていると、パキポディウムの受粉作業の動画がありまして。

youtu.be

 

おもむろに試してみたくなってしまったんです。

 

あまりにもおもむろに始めてしまったものですから、もはやその作業写真のひとつすら無いのですが…

そして正確にいつ受粉作業を行ったのかすら記憶にもないという有様。

なんだかんだで3日間くらい経過した頃。(写真はR3年7月21日)

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なんと受粉に成功していました!!!!

いやー!見よう見真似でも成功するもんですね。

チャレンジ万歳です。

 

さらに数週間経過して(R3年8月17日)

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種の入っている鞘がぐんぐんと伸びていました。

あとはまたさらに大切に見守りながら、自然と弾けてくれることを待ちます。

 

そしてさらに9日後。

私は仕事から帰ってきていつものように植物たちの棚に目をやり、観察しようとしていた時でした。

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(R3年8月26日)ほわほわした種が弾けて出てきていたのです。

思わずツイートして喜んでおりました。

 

その採れた種がこちらです。。

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およそ15個程度ですが、こうして種が取れるとめちゃくちゃうれしいですね。

なんとも言えない喜びです。

この採取できた種は秋蒔きして、育ててみようかと考えています。

 

塊根植物の人気は高く、近年あちこちの植物専門店で見かけることも多くなってきました。しかしこういった植物たちは成長も遅いため、普及することがなかなか簡単ではない品種であると思います。

かっこいい現地株を何人もの諭吉にお別れをしてお迎えすることも憧れますが。

こうして種を自分で採取し、実生にチャレンジすることで種の存続にもつながります。

国内実生の株は、その現地での気候に対して順応性があるといわれているので、山陰での実生を行った株であれば耐寒性もほかのものよりも優れて育ってくれるかもしれませんね。



 

【一属一種】ペトペンチア・ナタレンシスのお話。

お盆も過ぎれば夏の暑さも落ち着く。なんて聞いたことがありますが、

地味にまだまだ暑い日は続きます。

そしてきっとまた例年通りに10月頃まで暑い気候が続くわけですわ。

 

私の暮らすこの山陰の地は湿度が高く、晴天に恵まれる日はおよそ少ない地方です。

夏も冬も湿度に悩まされることこの上ないのですが、今年は先週頃に関東地方を襲った台風の影響で雨が降るまで、なんと1か月もの間ずっと雨が降っていなかったそうです。

ちょっとびっくり。

 

さて、表題の件ですが今回は

一属一種の植物 Petopentia natalensis について書かせていただきます。

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正しい学名は Asclepiadaceae Petopentia 

読み方は「アスクレピアドアケアエ ペトペンチア」ですかね。ガガイモを意味するAsclepiad にラテン語の~科を意味するaceaeがついています。読みにくいですね~!

ペトペンチア・ナタレンシスと普段呼んでおりますが「ナタレンシス」は和名なんですね。南アフリカ原産の塊根植物です。

そしてこのペトペンチアですが、一属一種の植物です。

 

まあ人間が勝手に植物に学名をつけて分類してきただけのことですから、植物側からしたらめっちゃどうでもいいことなんでしょうけども…

 

一属一種というのは、この場合ガガイモ科のペトペンチア属にはこのナタレンシスしかいませんよ!ってことなんですね。

長い長い植物にとっての歴史を繰り返してきていたとしても、これ以上の分類や変種は存在していないということです。

一属一種の植物は他にもたくさんあるかと思いますが、大体思いつくのは有名どころで

・奇想天外(Welwitchia mirabilis)

・オルテゴカクタス マクドガリー(Ortegocactus macdougallii)

・ゲオヒントニア メキシカーナ(Geohintonia mexicana) 

・オブレゴニア・デネグリイ(Obregonia denegrii)

 

どの植物も本当に面白い特徴を持っていて魅力たっぷりです。

特に奇想天外は調べてみてください。買おうとすると諭吉が何人も飛んでいきますし、ハッキリ言って育てるのは難しい部類だと思われますが!調べてみるのは無料です。

私はいつか自生地に足を運んで、現物を見てみたいなと思っている植物の一つです。

 

さて、次はそんなペトペンチア・ナタレンシスの特徴についてです。

 

◇ペトペンチアナタレンシスの特徴◇

まずは写真をご覧ください。

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どうですか。ちょこんとした雫型の塊根からツルのように上に伸びる茎。

対性に展開する深い緑の葉

そして葉の裏はメタリックな質感あるヴァイオレットカラー

Vioretですよまさに。パープルではなくヴァイオレット。

めくって見ないとわからないので、一見したところでは気づかない人も多いかもしれません。はじめて目にしたときは正直、パッとした印象はなかったんです。

なんとなくかわいい塊根植物買ったな!って具合で連れ帰りました。

そして家についてからよくよく観察して育ててみると、この植物の魅力にぐんぐん引き込まれていったわけです。

写真のペトペンチアは我が家に来て現在でだいたい1年半くらいが経ちます。

特徴はやはり前述した鮮やかなヴァイオレットカラーがまず挙げられますね。

次に塊根部の形がかわいいこと。葉も塊根も楽しめるなんて珍しい品種です。

そして育成の反応が素直なことです。

 

植物を枯らす人って大体話を聞いてみると、サボテンとかよくわからずに雑貨屋さんとかで買ってきて、水やりをいつやればいいのかわからないまま放置して、そのまま枯らしたりしていること、多いと感じています。

私が最初そうでしたもん!!←

反応や変化がわかりにくい植物を最初に手にしてしまうと、あまりにも変化がわかりにくすぎて気付かずに調子を崩してしまっているのではないかと考えられます。

 

ですがこの子は!!!

日に当てなかったり水やりしなかったりするとものすごくわかりやすい素直な子なんです。毎日見てあげると絶対に枯らすことはないでしょう。

それくらいしっかりと反応を返してくれます。話しかけたっていいんですよ?

価格は今現在どうなっているのでしょうか…私が入手した時にはおよそ2000円ほどでしたが、昨今の塊根植物ブームに乗っていれば5000円ぐらいはするかもしれませんね。

 

◇ 育て方(置き場所・水やり) ◇

お日様が大好きなのですが、実際は葉焼けを起こしやすいため私は室内で管理しています。窓辺のめちゃくちゃ明るい場所に置いています。成長期は夏です。

暗い場所や人工的な照明で育成すると葉裏の鮮やかなヴァイオレットカラーが消えていってしまう現象を起こしたことがあります。

しっかり明るいところで育ててあげてください。

 

水やりについてですが、このペトペンチアは水が欲しくなると

まるでお腹を空かせているかのように塊根部が「しぼみ」ます。

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一目瞭然ですね。塊根部の大きさが違います。

水をやる前は塊根部がやせてしまうので土が下がりますが、水を吸ったあとは膨らみ、土が押し上げられていることもよく分かるかなと思います。

 

この細かい皺のような亀裂が入った半球形の塊根は、最大で直径 40cm ほどの大きさに成長します。塊根をしっかり太らせたい方は塊根部を土に埋めてしまいましょう。

成長期を迎える夏は土が完全に乾ききる前にたっぷりと水やりをしましょう。

秋に入って涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めたら春まで断水気味に管理します。

しかし、完全に断水してしまうと細い根は枯れて死んでしまうため、春の目覚めが遅くなることがあります。休眠中も月に 1~2 回程度、ごく少量の水やりをして細根の枯死を予防しましょう。

ちなみに伸びたツタは支柱を立てて麻ひもなどで固定してあげることもできますし、

針金を使って絡まるようなものを作っても楽しめます。

長くなりすぎて、葉が落ちてから剪定することも可能ですが、翌年に葉が出始める頃合いが遅くなる場合があるようです。

盆栽みたいに仕立ててみても面白いかも?

 

いかがでしたか?

ペトペンチア・ナタレンシスの魅力が少しでもこのブログを読んだ方に伝わってくれればよいのですが…

塊根植物というとグラキリスオペルクリカリアなどが注目されがちですが、ペトペンチアナタレンシスの魅力も負けていないでしょう。

次にお迎えする植物や、初めての塊根に是非ひとつ。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

涼やかで美しい!アグラオネマのお話。

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どうもみなさま。

年々気温の上昇を実感しつつも、外でジリジリと直射日光に耐えるアガベを見たりして

「植物が元気ならいいや」なんて思うほど、暑さ以前に植物で脳みそやられてる感じの私です。

そんな暑い夏の日々、お部屋に涼しげな見た目の観葉植物があると気分的にどこか涼しく感じるものですよね。

 

今回はバリエーションも豊かで美しく、クールな見た目で大人気の観葉植物

アグラオネマ(Aglaonema)のお話です。

アグラオネマは実にバリエーションに富むため、今回のブログですべての品種は紹介しきれませんが、人気の品種や私が所持しているものについて書いていこうと思います。

 

アグラオネマとはどういう植物か

学名:Aglaonema 和名:リョクチク  

科名 / 属名:サトイモ科 / リョクチク属(アグラオネマ属)

映画好きの方は、リュック・べッソン監督の映画REONにてジャン・レノさん演じるレオンが大切に育てていた植物と言えばピンとくるかもしれません。

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アグラオネマインドから東南アジア、中国南部などの熱帯アジアに約50品種が分布しており、光沢のある葉に美しい模様をもつ植物です。

耐陰性・耐暑性があり、室内での観葉に適しています
大きく分けて、茎を立ち上げて丈1m以上になる直立性のタイプと、茎を立ち上げずに地表を這う匍匐性のタイプの2種類があります。

空気清浄効果があるといわれ、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを吸収してくれる機能があります。新しいオフィスやお家に置いてあげると効果を期待できそうですね。

 

アグラオネマ ピクタム(Aglaonema pictum)

最初からインパクトの強めな品種を紹介します。私がアグラオネマを知ったのはBRUTUSという雑誌の特別編集【BIZARR PLANTS HANDBOOK】の1つの写真。

AZUL AquariumさんのAglaonema pictum 'Castle'というもの。

これがきっかけでピクタムを探すようになり、ようやく購入できた株は今では私の最高の一株となりました。

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私の自慢の一鉢 Aglaonema pictum tricolor 元種タイプ

 

Aglaonema pictumにおける特徴はまさにこの迷彩カラー

濃淡の異なる鮮やかなグリーンに、白銀色のアクセントが光るこの独特の表現に思わずうっとりしてしまいます。人工的に作られたのではないかと思うほどに美しいものですが、なんと天然のもの。

観賞価値の高いものには独自の名前が付けられ、高額で取引きされているものが多いです。中にはNIRVASHのように土地開発によって自生地が壊滅してしまい、採取が今後不可能なものもあります

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自生地が壊滅してしまった Aglaonema pictum ''type NIRVASH''

ピクタムの育て方には少々難があり、湿度が低いと葉が丸まったり垂れたり。

光が強いと葉焼けを起こし、葉の色が薄くなったり。

温度が低いと弱ったり成長が止まったり。

なるべく水を切らさないようにこまめな潅水を必要としたりなど…

正直なところ初心者にはオススメできない品種です。

私も育成環境を作るために何人もの諭吉さんとお別れしてきました。

しかしながら、この美しさは絶品です。

もし興味を惹かれたならば、ぜひ勉強して育成にチャレンジしてみてもいいと思います。私がアグラオネマを育成し始めたのはこのピクタムが最初でしたが、何とかうまくやっています。いつか別のブログとして育成方法について述べてみようと考えています。

 

アグラオネマ マリア(Aglaonema 'Maria')

比較的入手しやすく、常湿でも元気に育ってくれる品種のマリア。

ちょっとこだわった植物屋さんにいくと見かけることができるかもしれませんが、今の時代フリマアプリでよく出品されています。

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高さはおよそ15~20㎝程度とコンパクトに楽しめるタイプ。

お部屋に置きやすいサイズですね。入門タイプとしてもおすすめです。

価格帯としてはおよそ1000~3000円程度とお手頃。育てやすく勝手に増えていくのでこの価格帯でおさまっているのでしょう。株の大きさによって価格が変動しているようです。

 アグラオネマ  コンタツム シルバークイーン(Aglaonema commutatum ‘Silver Queen)

茎は株立ちし、濃い緑に銀緑色の斑が大きく入る美しい葉をもちます。

栽培されているコンタツムの中で最もポピュラーな品種だと思われます。

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やはりこちらもフリマアプリでの取引きが一般的なようです。

植物屋でも見かけることはありましたが、大株だと価格帯はおよそ6000~11000円ほど。1株だけで葉が数枚の展開であればもう少し安いです。

背も大きくなると50㎝程度とそこそこ高くなるため、リビングや会社のオフィスに置かれると似合うのではないでしょうか。

こちらは常湿でも育成可能です。それほど気を遣う必要はないので、葉が垂れたり土が乾いていたら水やりを行うことで育ってくれます。

アグラオネマ  ニティドゥム ホワイトステム(Aglaonema nitidum 'Whitesyem')

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種小名のnitidumは「やや光沢のある」、品種名であるWhitesyemは「白い茎の」という意味になります。

こちらの品種は茎は株立ちし、さわやかな明るい緑に白い斑が入る美しい葉をもちます。

よく間違われますが、同じくニティドゥムの園芸品種の仲間であるサムレモやカティーシーとの違いはまさにこの白い茎ですね。

高さはおよそ90㎝程まで大きくなるため、コンパクトなマリアとは異なり置き場所も考える必要がありそうです。

希少な品種であり、自分調べですが価格帯はおよそ6500~13000円程度。

フリマアプリよりもヤフオクなどのオークションで手に入れることができます。

少々マニアックな品種だからでしょうか。

映画『REON』に登場するアグラオネマ ニティドゥム カーティシー(Aglaonema nitidum'Curtisii')は残念ながら所持していないため画像はありませんが、とても美しい品種ですのでいつか育ててみたいですね。

カーティシーに関しては本当に人気で、価格も20000~26000円程度と高値で取引きをされているだけでなく、リリアンやサムレモのように非常に似ている園芸品種が存在しているため、しっかりとした目を養わなければ本物に出会えないかもしれません。

 

アグラオネマ ナイトスパーク (Aglaonema night spark

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 こちらは私のカミさんが育てているアグラオネマ。梅雨から夏にかけてホームセンターでよく見かけるようになるアグラオネマだと個人的に感じています。名前の通り、夜にもこの鮮やかなピンクが弾けるような眩しさを生み出している、美しい品種ですね。

価格はわりと控えめで、1500~3000円程度。似た品種でバレンタインやジュエリーなんてものもあります。茎の色や斑の入り具合で園芸品種名はなかなかややこしくなるので、判別が困難なものがどうしても多いので気を付けたいところですね。

 

 

っと、今回は以上になりますがアグラオネマの紹介はいかがだったでしょうか?

ご興味を惹かれる品種はありましたでしょうか?

これまで2.3年の植物界隈はわりと塊根だの多肉だのといわゆる【乾きモノ】が人気な風潮があるなあと感じていました。

しかしながら、最近はビカクシダやベゴニア、アグラオネマモンステラなどの葉物や湿度の高い植物にもスポットが当たってきているような感じがします。

私自身も単にそういう方面も好きになってきているのも事実でしょうけども、植物屋に足を運ぶと明らかに増えてきていると実感する場面があるので、おそらく私だけではないのでしょう。

色々な未知の植物に出会える機会が増えるのは、とても喜ばしいことです。

【乾きもの】も【ジメジメ系のもの】も、広い興味を持つことで植物に触れ合える喜びを感じられるので私にはもっともっとどちらの界隈も盛り上がっていってほしいものです。

次回は何について書こうかなぁ。一番願っているのは勿論ジャイアントロベリアの発芽報告なのですが(笑)いまだ動きはありません。 早く目覚めてくれー!!

 


 

ロベリア ベクアエルティの実生にチャレンジ

 

 

※今回もマニアックな内容であるため、途中で読むのに疲れたひとは遠慮なくやめてゲームでもして酒飲んで寝よう。

 

私はLobelia bequaertiiの画像を探したりしながら膨大なネットの海を彷徨っていた。

そして突然ではあるが、ルウェンゾリ山地の植物生態学についての特徴が書かれている文献のページにたどり着いてしまった。明らかに日本語ではない。

Google翻訳を活用しつつ、播種方法について書かれた海外のサイトや植物生態学の文献も参考にしながら考察も含めた内容を書いていく。

素人の翻訳と考察なので変な部分があれば許していただきたい。むしろスウェーデン語やラテン語を流暢に話し、日本語も話せる友人でもいたらぜひ紹介していただきたい。

 

1.低温&高湿度で保管し、発芽に至るまでおよそ数か月間。最大で一年もの間かかる

ジャイアントロベリアやジャイアントセネシオの自生地は森林限界を迎えた標高の高い位置にあり、アフロアルパイン生態(Afro-alpine Zone)と呼ばれている。

ルウェンゾリ山地の地質は、付近の山々では主に表層は様々な溶岩を岩盤としているのに対し、谷に位置しているためか地質的な代謝が乏しく、花崗岩や片麻岩、閃緑岩などの始生代の岩石、角閃岩、珪岩などを基本としている。

その表面には火山灰やホコリ、腐植土が細やかな泥となり蓄積され、しっとりと覆っているということだ。その湿度の高さから樹木の表層や地面には苔が茂り、登山者の足を滑らせる危険な場所でもあるそうだ。

Lobelia bequaertiiの発芽のためには細かい砂や堆肥を使用し、冷たく湿った状態を維持する必要がある。そして発芽に至るまでおよそ数か月間から最大で一年もの間かかるといわれている

その間冷やそうとして冷蔵庫に入れたり、種子を乾かしてはならない。

新鮮な種子は発芽が非常に遅いケースがあるが、発芽のメカニズムを破壊して深い休眠状態に入ってしまう場合があることから、発芽を試みるために人工的な熱を使用してはならないとのこと。

そして、発芽に成功した場合にはできるだけ涼しいところでしっかりと光を与え、水はけのよい土に植えてやると育てることができる。耐寒性があるため冬の寒さには強いが、深部まで凍ることの無いように管理する必要がある。

 

発芽のトリガーについては概ね理解したものの、日本での発芽報告が全くないという現状に私は正直不安で仕方なかった

海外での発芽率もおよそ30%と決して高くはないもので、日本のように四季があり、ルウェンゾリ山地のような「低温多湿」を数か月間も維持できる環境を作りだすにはどうすればいいのか頭を悩ませたからだ。

ついにはルウェンゾリ山地の巨大なセネシオやロベリアなどの植物が支配する暗く湿度の高い山中をたった一人で彷徨う夢まで見たほどだ。嘘ではない。

2.なんと国内で発芽報告を発見

実生にチャレンジすると決意してからというもの、GoogleTwitterで同じようにジャイアントロベリアの実生にチャレンジしている人はいないか毎日のように血眼になって探していた。

一人は「そだレポ」だったか、Loberia bambusetiiの実生を試みているようだったが、4月に播種してからその後の結果は7月現在で更新がない。

7月1日の夜中、Twitterでなんと日本国内ではおそらく初であろう発芽報告を見つけた。

そのツイートは5月20日のもので、これを見つけた時の私の気持ちといったら、もはや思わず誰かにハグしたくなるほどの喜びと安堵感だった。

翌日改めてリプを送ってみると、どうやら植生学を学んでいる大学生で、彼は優しく発芽に至った環境とアドバイスをくれた。

3.発芽温度は低くてOK、ポイントは腰水

ルウェンゾリ山地の温度はおよそ-1~4.5℃、通年して冷涼な環境である。

おそらくこの日本での発芽に関して温度は年中通して問題ない。

発芽報告をしていた彼のアドバイスによると、種子を乾かさないためと、流出してしまわないように腰水で管理するのがいいとのこと。私はおそらくこれが上手くできていなかった。

4.種と用土の消毒

実生の大敵はカビである。最長でおよそ1年間もの間カビと戦わなければならない可能性がありながらチャレンジする気持ちが皆に分かるだろうか。伝われ。

播種の準備として種と土の消毒を行う。

種の消毒はホーマイ水和剤を1000倍希釈して使用浸け置き時間は5時間

Lobelia bequaertiiとLobelia wollastoniiの種を50個ずつ蒔く

50個で買ったはずなのだが、SEEDSTOCKさんは多めに入れてくれている。100個近く実際は入っているのではないか。だいぶ余った。

種はどちらもものすごく小さい。0.5mm以下ほどの大きさだ。

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土は播種用の用土と、ピートモスの2種類の方法で蒔いてみることにする。

 

ピートモスの消毒】

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サカタのタネ:こまかいタネがまける土 ピートバン 

近所のホームセンターで購入したタッパー(フタをしたままレンジ可能なもの)

水でふかふかにもどしたら、電子レンジで500W 3分加熱して消毒します。

その後はしっかりと冷めてから播種します。

【播種用土の消毒】

ホーマイ希釈液(1000倍)に浸して管理するため、表面の熱湯消毒のみ施行

今回の用土は以前にTOKYさんで購入していたBANKS Collectionの播種&挿し木用のブレンドソイルを使用。

www.toky.jp

5.播種

それでは実際に播種していく。

とはいえ細かい種をピンセットで浅く埋めていくだけである

ブログだと一瞬で完了後の写真を見ることができるが、実際やるのはなかなかの根気が必要だ。なんせ種が細かいのだから、つまんだ拍子に飛んでいきかねない。

ピートバンへの播種はR3年7月3日に実施。

ソイルへの播種は同じ日に時間がとれなかったためR3年7月5日に実施した。

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ここからカビに注意しつつ見守っていくしかない。

 

6.悲報

いったいなんの因果なのか。噂をすればというものだ。

誰だカビフラグとか言ったやつは。デコピンしてやりたい。

まるで四コマ漫画のオチがついたとでもいうかのように白カビが発生した。

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R3年7月7日 七夕だというのになんとも幸先の悪い結果である。

Lobelia bequaertiiを播種したほうに白カビがみられる。

wollastoniiのタッパーと、ソイルで播種した方は無事だ。

発生してしまった白カビにはベンレート希釈液を噴霧して対応してみる

まだ播種して間もないため、いったん直射日光にさらしたりして表層を乾かしてみるというのも有効かもしれない。

原因は種の消毒が不十分であったか、単なるタッパー内の環境的な因子で菌の繁殖につながってしまったか。

種もまだ残っているので再挑戦も可能だが、しばらくはこのままやってみようと思う。

 

今回も長い内容でしたが、読んでくださった方々ありがとうございます。

次回は発芽までの途中経過をまとめたりカビとの格闘の行く末など、いい結果が報告できるとよいのですが。成功を祈るばかりです。

それでは、また。