お盆も過ぎれば夏の暑さも落ち着く。なんて聞いたことがありますが、
地味にまだまだ暑い日は続きます。
そしてきっとまた例年通りに10月頃まで暑い気候が続くわけですわ。
私の暮らすこの山陰の地は湿度が高く、晴天に恵まれる日はおよそ少ない地方です。
夏も冬も湿度に悩まされることこの上ないのですが、今年は先週頃に関東地方を襲った台風の影響で雨が降るまで、なんと1か月もの間ずっと雨が降っていなかったそうです。
ちょっとびっくり。
さて、表題の件ですが今回は
一属一種の植物 Petopentia natalensis について書かせていただきます。
正しい学名は Asclepiadaceae Petopentia
読み方は「アスクレピアドアケアエ ペトペンチア」ですかね。ガガイモを意味するAsclepiad にラテン語の~科を意味するaceaeがついています。読みにくいですね~!
ペトペンチア・ナタレンシスと普段呼んでおりますが「ナタレンシス」は和名なんですね。南アフリカ原産の塊根植物です。
そしてこのペトペンチアですが、一属一種の植物です。
まあ人間が勝手に植物に学名をつけて分類してきただけのことですから、植物側からしたらめっちゃどうでもいいことなんでしょうけども…
一属一種というのは、この場合ガガイモ科のペトペンチア属にはこのナタレンシスしかいませんよ!ってことなんですね。
長い長い植物にとっての歴史を繰り返してきていたとしても、これ以上の分類や変種は存在していないということです。
一属一種の植物は他にもたくさんあるかと思いますが、大体思いつくのは有名どころで
・奇想天外(Welwitchia mirabilis)
・オルテゴカクタス マクドガリー(Ortegocactus macdougallii)
・ゲオヒントニア メキシカーナ(Geohintonia mexicana)
・オブレゴニア・デネグリイ(Obregonia denegrii)
どの植物も本当に面白い特徴を持っていて魅力たっぷりです。
特に奇想天外は調べてみてください。買おうとすると諭吉が何人も飛んでいきますし、ハッキリ言って育てるのは難しい部類だと思われますが!調べてみるのは無料です。
私はいつか自生地に足を運んで、現物を見てみたいなと思っている植物の一つです。
さて、次はそんなペトペンチア・ナタレンシスの特徴についてです。
◇ペトペンチアナタレンシスの特徴◇
まずは写真をご覧ください。
どうですか。ちょこんとした雫型の塊根からツルのように上に伸びる茎。
対性に展開する深い緑の葉。
そして葉の裏はメタリックな質感あるヴァイオレットカラー!
Vioretですよまさに。パープルではなくヴァイオレット。
めくって見ないとわからないので、一見したところでは気づかない人も多いかもしれません。はじめて目にしたときは正直、パッとした印象はなかったんです。
なんとなくかわいい塊根植物買ったな!って具合で連れ帰りました。
そして家についてからよくよく観察して育ててみると、この植物の魅力にぐんぐん引き込まれていったわけです。
写真のペトペンチアは我が家に来て現在でだいたい1年半くらいが経ちます。
特徴はやはり前述した鮮やかなヴァイオレットカラーがまず挙げられますね。
次に塊根部の形がかわいいこと。葉も塊根も楽しめるなんて珍しい品種です。
そして育成の反応が素直なことです。
植物を枯らす人って大体話を聞いてみると、サボテンとかよくわからずに雑貨屋さんとかで買ってきて、水やりをいつやればいいのかわからないまま放置して、そのまま枯らしたりしていること、多いと感じています。
私が最初そうでしたもん!!←
反応や変化がわかりにくい植物を最初に手にしてしまうと、あまりにも変化がわかりにくすぎて気付かずに調子を崩してしまっているのではないかと考えられます。
ですがこの子は!!!
日に当てなかったり水やりしなかったりするとものすごくわかりやすい素直な子なんです。毎日見てあげると絶対に枯らすことはないでしょう。
それくらいしっかりと反応を返してくれます。話しかけたっていいんですよ?
価格は今現在どうなっているのでしょうか…私が入手した時にはおよそ2000円ほどでしたが、昨今の塊根植物ブームに乗っていれば5000円ぐらいはするかもしれませんね。
◇ 育て方(置き場所・水やり) ◇
お日様が大好きなのですが、実際は葉焼けを起こしやすいため私は室内で管理しています。窓辺のめちゃくちゃ明るい場所に置いています。成長期は夏です。
暗い場所や人工的な照明で育成すると葉裏の鮮やかなヴァイオレットカラーが消えていってしまう現象を起こしたことがあります。
しっかり明るいところで育ててあげてください。
水やりについてですが、このペトペンチアは水が欲しくなると
まるでお腹を空かせているかのように塊根部が「しぼみ」ます。
一目瞭然ですね。塊根部の大きさが違います。
水をやる前は塊根部がやせてしまうので土が下がりますが、水を吸ったあとは膨らみ、土が押し上げられていることもよく分かるかなと思います。
この細かい皺のような亀裂が入った半球形の塊根は、最大で直径 40cm ほどの大きさに成長します。塊根をしっかり太らせたい方は塊根部を土に埋めてしまいましょう。
成長期を迎える夏は土が完全に乾ききる前にたっぷりと水やりをしましょう。
秋に入って涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めたら春まで断水気味に管理します。
しかし、完全に断水してしまうと細い根は枯れて死んでしまうため、春の目覚めが遅くなることがあります。休眠中も月に 1~2 回程度、ごく少量の水やりをして細根の枯死を予防しましょう。
ちなみに伸びたツタは支柱を立てて麻ひもなどで固定してあげることもできますし、
針金を使って絡まるようなものを作っても楽しめます。
長くなりすぎて、葉が落ちてから剪定することも可能ですが、翌年に葉が出始める頃合いが遅くなる場合があるようです。
盆栽みたいに仕立ててみても面白いかも?
いかがでしたか?
ペトペンチア・ナタレンシスの魅力が少しでもこのブログを読んだ方に伝わってくれればよいのですが…
塊根植物というとグラキリスやオペルクリカリアなどが注目されがちですが、ペトペンチアナタレンシスの魅力も負けていないでしょう。
次にお迎えする植物や、初めての塊根に是非ひとつ。
よろしくお願いいたします。